狭いくてうるさい機内と食事

乗ってしまえば着陸を待つだけなのですが、こんなにも苦痛なシートは初めてでした。後に聞けば、機体は何かのときには軍用に使うためシートが脱着できるんだとか、本当なのか分かりませんが、よく見てくれば良かったとおもいました。今まで国内の航空会社やアジアの航空会社、アメリカの航空会社と特に会社にこだわらず試していたようなところがあるのですが、その経験からいっても初めて苦痛を感じる機内だった事には違いありませんでした。
 離陸の際には、どの飛行機もミシミシと圧力に耐える音が聞こえては来るものの、小さい機体だったこともあってとても恐ろしい音にも聞こえました。そして、時折止まったかのように音の変わるエンジン、なんだか安定していないのではないかという不安が体の力を抜く事を許してはくれません。座っているうちに全身に力が入っているせいか首も肩も凝り固まったようになってしまったのです。
 どの飛行機に乗っても水平飛行になったと同時ぐらいに開始される機内食サービスもちゃんとありました。ただ、やはり食の内容は精一杯のメニューに見え、一緒に出されたパンは独特な香りと酸味のある黒っぽく固いパンでしたので、慣れない味に食事は進みませんでした。
 この機内では酸味のあるパンともう1つ記憶に残っている機内食サービスがあります。それはデザートです。食事の配膳が一段落して、食事も終わりに近くなって来たときに大きなトレーを肩の上まで持ち上げて客室乗務員の女性(その頃はスチュワーデスと言ってました)が通路を歩いて来ました。高々とあげられたトレーの中にはバナナが乗っていたのです。まるで凄く高価なものをお持ちしましたと言う風にとっても笑顔で配り始めたのです。私たちもまさか機内でバナナが配られるとは思ってもいませんでしたし、いままで経験したデザートはプチケーキだったり、ババロアみたいなモノだったりでしたので、何度思い出しても不思議な光景として記憶に残っているのです。