イタリアへ向けての機内

乗り換え機の準備が整ったようです。成田から乗って来た人が全て乗り換える訳ではありませんが、日本人らしい人たちはほとんどが乗り換えのようです。そして、モスクワから搭乗する人もいるようでした。搭乗手続きのアナウンスが流れ、待っていた人が一斉に搭乗口に向かいます。私はチケットに座席番号が記載されていないのが気になったのですが、入り口に行くとその意味が分かりました。その飛行機は自由席だったのです。国際線にも関わらず自由席と言うのもとっても不思議で、自由席と知らなかった人たちは飛行機に入るなり席の確保に大慌てでした。
 私たちも席が離れては苦痛な時間が更に地獄のようなつまらない時間になってしまうので、
つ並びの座席を確保しようと奥へと進み、3座席並びの通路からの
席を確保する事ができたのです。
 椅子とリゲームにも似た一瞬の雰囲気が落ち着き、皆が座席に座る事ができたようです。あるいは座れなかった人もいたのかもしれませんが、座席のダブルブッキングというのも昔は多かったので、そんな事が座席の確保を慌ただしくさせていたのかもしれません。たとえそれは座席の番号が割り振られていたとしても起こりうることで、早めにシートに座っているのが一番の得策だったのです。
 いよいよ機体はモスクワを後にしてローマ空港にむかいます。少ししてドリンクサービスが始まると、私はおもむろに手荷物から持参したスプーンとクラッカー、そしてモスクワ空港で買ったキャビアを出しました。そうです、念願の本場で買ったキャビアを食すのです。もちろん国内でキャビアを買うなどという事はありません。食べたとしてもたまに行くレストランで本物かどうか分かるまで味わうだけの量もない飾りで散りばめられた程度のキャビアですから、キャビアの味をはっきり味わうのが狭いシートに座ってというのが何とも笑いたくなるような体験でした。
 キャビアをクラッカーに乗せてみると黒くてツヤがあり、でもキャビアというから美味しそうとか食べてみたいとか思うだけで、実際に何か分からず乗せられていれば、タラコやいくらのほうが色も素敵かもしれないと思ってしまいました。